自律性の欲求 自分で決めて自分でやりたい

自律性の欲求 自分で決めて自分でやりたい

自律欲求、自分で決めて自分で行動したい

デシ&ライアンは、人間が自発的に努力を続けるには、

  • 自律性の欲求
  • 有能感の欲求
  • 関係性の欲求
という三つの欲求を満たすことが重要な要件だとした。

 

これらの欲求をうまく満たせるのであれば、外発的動機付けであっても、内発的動機付けに転換可能だという。

 

まず、自律性の欲求とは、他人から強制されるのではなく、自分でコントロールしたいと言う欲求だ。

 

自分でやろうと思っていたことでも、他人から何のかんの言われたら、一気に冷めて、やる気がなくなってしまう。

 

こういう経験は、誰にでもあるだろう。

 

仕事でも、一から十まで指示されて、ずっと監視されている状態では、やる気を出せと言っても出せはしない。

 

逆に、作業のやり方と締め切り、達成すべき数値目標だけ与えられて、スケジュールは自分で決めて良いとなれば、たいていの人は、ストレス無く、自分のやり方で作業を進められる。

 

自分なりのやり方でも良い部分を教えて、創意工夫を引き出すというのも、内発性動機付けを引き出す手段だ。

 

こういう方法を取り入れた一例が、90年代からソニーの工場から拡がった「セル生産方式」だ。

 

セル生産方式というのは、ワークセルと呼ばれる、小さく仕切られたスペースの中で、従業員が一人だけで、製品を組み立てるという生産方式だ。

 



一人でやると、責任感と愛着が生まれる

90年代までの工場では、ライン生産方式が殆どだった。

 

ライン生産方式というのは、半製品をベルトコンベアに乗せ、大勢の作業員がそれに部品を取り付けていく方式だ。

 

コンベヤで運ばれてきた半製品に、パイプを曲げたり、ネジを締めたりといった、単純な作業を加えていく。

 

この方式では、一つ一つの工程の、作業自体は非常に単純だから、熟練工で無くてもできるのが特徴だ。

 

そのため、未熟な従業員を使って、大量にモノを生産するのには、非常に役に立つ生産方式だった。

 

ところが単純作業だから、疲れるし飽きる。

 

私も冷蔵庫の工場のコンプレッサの製造ラインに入ったことがあるが、パイプを曲げて、ヤスリを掛けて、エアーを吹きかけるという単調作業が、朝から晩まで続いた。

 

他に何もすることがないから、知ってる歌を片っ端から歌い、いろんな事を考えながら、パイプを曲げて、ヤスリを掛けて、エアーを吹きかけ続けた。

 

こういった作業は、自分が選んでしているわけでもないし、自分の能力が上がるわけでもない。

 

パイプを曲げるのが上手くなっても、自慢もできないし、他の仕事にも使えない。

 

また誰かとの関係性が築けるわけでもないから、もう完全に内因性動機付けの要素がない。

 

コンプレッサーの部品しか見てないので、できあがった製品に対しても、愛着が湧くわけでもない。

 

一方、セル生産方式では、製造に関わっている割合は全然違う。

 

プラモデルを作っているのと同じで、部品を組み立てているだけでも、自分が作ったのだという実感が湧く。

 

作業の進め方に関する裁量権も、一人一人の工員に与えられるため、自分のペースで期限までに仕上げれば良い。

 

他のメンバーが関わっていないので、出来が悪ければ責任も自分一人で負うことになるが、それも責任感につながって良い仕事になる。

 


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